緑内障治療
緑内障が進行して視野が欠けるといかなる手段によっても視野は元に戻りません。
緑内障の治療は病気の進行をくい止めるため、眼圧を低くコントロールすることが最も有効とされています。 治療法としては薬物療法、レーザー治療や手術が一般的です。ただし、レーザー治療や手術を受けて眼圧が下降しても、その効果が半永久的に維持されるとは限らず、複数回の治療が必要になる場合もあります。
薬物療法
眼圧を下げる点眼薬には房水の産生を抑制するものと、房水の流出を促すものがあります。 場合によっては2~3種類の点眼薬を併用することもあります。点眼薬では効果が不十分な場合は、内服薬を用いる場合もあります。 また、緑内障は眼圧以外にも血流障害が悪化要因になることが知られており、血流改善を促す薬を使用することもあります。また緑内障で機能が低下した視神経・網膜に対し、ビタミンB12製剤やサプリメントなどを勧めることもあります。
レーザー手術
選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT)
適応 | 原発開放隅角緑内障、嚢性緑内障、色素性緑内障、高眼圧症 |
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禁忌 | 炎症性の続発緑内障、血管新生緑内障など |
SLT治療効果には個人差がありますが、薬を減らしたり、観血手術の必要性をなくしたり、遅らせたりできることが期待できます。点眼薬が目にあわず副作用を起こす場合、点眼薬をきっちり入れることが困難な場合、点眼薬で十分に眼圧が下がらない場合などに適応となる有効な治療法です。有効率は約80%で、奏功した場合の眼圧下降幅は約4~6㎜Hg、正常眼圧緑内障でも2~3mmHgとされています。レーザー後の効果は約1~2ヵ月後に安定してきます。
照射直後に一過性に眼圧上昇したり、虹彩炎合併例では炎症が再燃したりする可能性がありますが、レーザーのエネルギーが低く、周囲組織への侵襲が非常に少ないため、他の手段に比べて重篤な合併症をおこす可能性はほとんどありません。点眼と消炎剤の使用により、それらの合併症は抑制できます。
北海道でもこの治療法をおこなっている施設は少数ですが、当グループでは他施設に先駆けて早期にSLTレーザーを導入しました。(※札幌かとう眼科、えにわ眼科で対応可能)
- 費用(片眼)
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1割 18,000円(上限) 2割 18,000円(上限) 3割 73,000円前後 - 高額医療の申請(限度額認定証の提示)がある方は限度額が変わる場合があります。
毛様体光凝固術(CYCLO G6)
適応 | 難治緑内障・血管新生緑内障 |
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禁忌 | 眼白子症 |
房水を作り分泌する毛様体にマイクロパルスレーザーを照射して光凝固を行い、眼圧を下げる手術です。緑内障において、点眼治療では対処できないケースで、手術以外の方法として使われます。
従来のダイオードレーザーでは毛様体を破壊するため、術中の強い痛みや、術後の炎症、視力低下などの合併症を伴うので、他の手術が施行不能の血管新生緑内障に対して最終的な手段として行っていました。
一方で、マイクロパルスレーザーでは低エネルギーでの治療が可能なため、痛みや合併症がほとんどありません。また、繰り返し照射することも可能です。
- 費用(片眼)
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1割 6,000円前後 2割 12,000円前後 3割 18,000円前後
虹彩切開術(LI)
適応 | 原発閉塞隅角緑内障 |
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過去にはよくおこなわれていた治療法ですが、角膜内皮への影響で将来に水疱性角膜症を起こすリスクがあるため、他の手段が困難な場合にのみ施行します。
- 費用(片眼)
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1割 8,000円前後 2割 16,000円前後 3割 24,000円前後
観血手術
薬物療法やレーザー治療で目標とする眼圧にならない場合、視野が狭くなっていったりする場合には手術を検討します。
トラベクレクトミー(繊維柱帯切除術)
トラベクレクトミーは、国内も含め世界で最も多く行われている緑内障手術であり、優れた眼圧下降効果が得られ、病型や病期によらず施行できるため、第1選択となることが多い手術療法です。点眼治療や房水流出路の再建手術では眼圧のコントロールができず、緑内障が進行してきた場合に房水が直接眼外(結膜【白目の粘膜】下)に流れ出る道を作る手術が行われます。前房内から眼外へ房水を排出させることで眼圧下降効果が得られる手術です。
- 費用(片眼)
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1割 18,000円(上限) 2割 18,000円(上限) 3割 75,000円前後
エクスプレス(インプラント手術)
エクスプレス(ステンレス製)というインプラント を埋め込んで眼圧を下げる手術です 。強膜弁下に輪部から前房内へ穿刺留置することで、前房と眼外の間に房水流出路を作成し、眼圧の下降をさせます。
- 費用(片眼)
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1割 18,000円(上限) 2割 18,000円(上限) 3割 110,000円前後
iStent inject®︎W(インプラント手術)
近年、眼圧下降効果は弱めでも低侵襲で合併症の少ない安全性の高い緑内障手術が考案され、それらを総称して極低侵襲緑内障手術(=M I G S)と呼ばれています。
iStent inject®︎Wは、長さ360μmの医療用チタン製で体内に留置する医療機器の中で世界最小です。
この手術は白内障手術と同時に行います。白内障手術では小さな切り口を作りますが、その同じ切り口から器具を挿入してiStentinject®︎Wを眼の中の組織(線維柱帯)に挿入することで、眼圧を調整する房水の排出を改善し、眼圧を低下させ安定させることが期待できます。出血も少なく回復が早い為、体への負担は極めて少なくすみます。
- 費用(片眼)
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1割 18,000円(上限) 2割 18,000円(上限) 3割 93,000円前後
トラべクロトミー(線維柱帯切開術)
房水の流れが悪く抵抗の高い線維柱帯(※線維柱帯とは、目の中にある水(房水)の出口)の目詰まりしたところを切開し房水の流れを良くします。白内障手術と同時に行うことも可能です。レクトミー(線維柱帯切除術)より、合併症のリスクは少ないのですが眼圧降下効果が低いことも特徴です。
- 費用(片眼)
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1割 18,000円(上限) 2割 18,000円(上限) 3割 60,000円前後
チューブシャント手術
緑内障チューブシャント手術は、濾過手術を行っても眼圧を下げることが難しい重篤な緑内障眼に対して行います。眼の中にチューブを留置して房水をプレートから結膜下の眼球周囲深部に流す手術で、チューブを前房に入れる直線チューブタイプと毛様体扁平部挿入タイプがあります。
- 費用(片眼)
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1割 18,000円(上限) 2割 18,000円(上限) 3割 140,000円前後