涙道治療
治療方法
- 涙管チューブ挿入術
涙道にシリコンのチューブを挿入して広げる手術です。当院では涙道内視鏡を導入しておりますので、それを涙管に入れていき、閉塞部を目で確認してから、詰まっている部分を通すことが出来ます。 これにより、より確実により短時間(20分程度)での処置が可能となり、術後の成績が向上しました。局所麻酔で、通常は入院も必要ありません。その後、3ヵ月くらい経って涙道が広がったところで、チューブを抜きます。短時間で行える長所がある一方、チューブを抜去した後に再閉塞を起こすことがあるのが短所です。
- 涙嚢鼻腔吻合術 (DCR)
再閉塞を繰り返す場合、第二選択肢として人工的に涙道のバイパスを作る涙嚢鼻腔吻合術という手術方法があります。涙嚢鼻腔吻合術には鼻外法と鼻内法・があります。当院では日帰り手術・局所麻酔で行なっています。
【鼻内法】
鼻内法では涙道内視鏡を用いて鼻腔内から涙道近くの骨を削って涙道に到達します。次いでシリコンチューブを上涙点と下涙点から挿入し、削った骨を通して鼻腔内に入り留置します。鼻外法と比べると適応範囲は狭くなりますが、皮膚切開が不要です。成績は両者とも同程度と言われています。しかし、狭窄や閉塞部位によってはこの方法で手術ができないことがあります。その場合は鼻外法になります。
【鼻外法】
目頭の皮膚に約2cmの切開を行って骨に到達し、薄い部分を削り取って鼻腔内に入りバイパスを形成します。鼻の外から鼻腔に入るので鼻外法と呼ばれます。次いで上涙点と下涙点からシリコンチューブを挿入し、バイパスを通して鼻腔内に入り留置します。シリコンチューブは3ヶ月程で抜去します。皮膚の切開創は3ヶ月もすれば殆ど目立たなくなります。長期の成功率は90%以上と言われています。
涙管チューブ挿入・涙囊鼻腔吻合術をお考えの方へ
涙が出るという方はたくさんいらっしゃいます。
時々涙が出る程度であれば問題ありませんが、しょっちゅう涙が出てハンカチが手放せない方や、接客業などで涙目になって支障を来す方、目の周りがただれてくる方など症状は様々です。涙の通り道が詰まる、細くなるなどして流涙の原因となっている場合は涙管チューブ挿入術が第一選択治療と考えます。
内視鏡で確認して確実に治療するとはいっても結局、詰まったところを通さないといけません。麻酔はしますが詰まりがひどい時は痛みが出ることもありますし、詰まりがひどいときは通らないこともあります。内視鏡手術にも限界があり、詰まりがなかなか取れないときや痛みを来すときは手術を中断します。無理に治療しても再発する可能性が高いからです。そういう症例は涙が出始めてから数年と時間が経っている場合や涙嚢炎といって炎症を繰り返している場合が多く、骨を削る手術(DCR)の方が確実に治ります。
涙は放置しても失明するわけではないので、上記のことをよく理解して頂いた上で手術を受けるかどうかご検討下さい。
手術までのスケジュール
- 手術申し込み
- 全例日帰り手術です。通常は2,3ヶ月待ちくらいです。術前検査は特にはありません。
- 術前説明
- この手術に関してはほとんど合併症がないのでご本人のみの説明で行うことが多いです。
- 手術当日・手術後
- 手術は片眼20分ほどで終了します。眼帯をして帰宅しますのでご自分で運転してくるのは控えて下さい。 手術後2,3日は涙道洗浄を行います。数日で涙は止まりますので後は1,2週間後、1ヶ月後、2ヶ月くらいして涙道に入れているチューブを抜きます。チューブを抜くのはチューブを引っ張るだけなので痛くありません。
合併症について
- 手術直後は一時的に麻酔の影響で眼球の動きが鈍くなり上下に物がずれて見えたり見えにくかったりすることがあるため、片目に眼帯を付けてお帰りいただきます。
- 手術後数日は鼻水や涙に血が少量まじりますが、心配ありません。1ヶ月程度で涙や目やにが減ってきますが、チューブが入っている間はゴロゴロすることがあります。
- 麻酔の注射をした部分が内出血で赤紫になることがありますが数週間のうちに軽快します。
費用
涙管チューブ挿入
1割 | 【片眼】5,000円前後 |
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2割 | 【片眼】10,000円前後 |
3割 | 【片眼】15,000円前後 |
涙囊鼻腔吻合術(DCR)鼻内法
1割 | 【片眼】18,000円まで |
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2割 | 【片眼】18,000円まで |
3割 | 【片眼】75,000円前後 |
※ 高額医療の申請(限度額認定証の提示)がある方は限度額が変わる場合があります。
涙囊鼻腔吻合術(DCR)鼻外法
1割 | 【片眼】18,000円まで |
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2割 | 【片眼】18,000円まで |
3割 | 【片眼】75,000円前後 |
※ 高額医療の申請(限度額認定証の提示)がある方は限度額が変わる場合があります。